企業が経営活動をする為には必ず財産を必要としますが、企業の財産は日常的な企業活動によって常に変化します。その変化を正確に記録し経営者に経営管理に必要な情報を提供する重要な経営管理技術が「簿記」です。
簿記という言葉は「帳簿に記録する」を略したものだと言われる様に、簿記においては日常取引の全てを必ず帳簿に記帳しなければいけません。この記帳の方法には個人の家計簿やお小遣い帳の様に入って来たお金と出て行ったお金を毎日記帳して現在の現金残高を求める「単式簿記」と、入金、出金それぞれに入出金の原因になった相手方勘定も記帳する「複式簿記」がありますが、企業において簿記と言う場合は複式簿記を指します。
簿記は最終的には会計と結び付きいわゆる「財務諸表」として経営者や外部の利害関係者に提供されます。その場合企業がそれぞれ好き勝手に記帳していたのでは財務諸表に客観性が無くなりますので、そのベースになる簿記には一定のルールが定められています。
よって、簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます。さらに、公認会計士や税理士等の国家資格を目指す方や他の資格・検定と組み合わせてキャリアアップを考えている方々にも必須の資格といえます。
現在、多くの企業が社員に対して簿記検定の資格取得を奨励しているほか、大学や短大の推薦入試、単位認定の基準に採用されていたり、最近では、若年者の就職を支援する厚生労働省の「YESプログラム」において、企業が採用にあたって重視している就職基礎能力の1つである「資格取得」に選定されています。
試験終了後には毎回、その問題を出題した意図や共通して誤りの多かった事例などを公表していますので、学習のための参考資料として活用し、検定試験にチャレンジすることが大切です。また、予想以上に過去の問題の出題パターンをなぞった学習をしてしまう傾向がありますので、出題区分表の範囲全般にわたって学習するとともに、新しい会計基準等についての勉強が求められます。
各級のレベル
- 【1級】
- 税理士、公認会計士などの国家試験の登竜門。大学程度の商業簿記、工業簿記、原価計算並びに会計学を修得し、財務諸表規則や企業会計に関する法規を理解し、経営管理や経営分析ができる。
- 【2級】
- 高校程度の商業簿記および工業簿記(初歩的な原価計算を含む)を修得している。財務諸表を読む力がつき、企業の経営状況を把握できる。相手の経営状況もわかるので、株式会社の経営管理に役立つ。
- 【3級】
- 財務担当者に必須の基本知識が身につき、商店、中小企業の経理事務に役立つ。経理関連書類の読み取りができ、取引先企業の経営状況を数字から理解できるようになる。営業、管理部門に必要な知識として評価する企業が増えている。
- 【4級】
- 簿記入門編。小規模小売店の経理に役立つ。勘定科目に仕訳でき、複式簿記の仕組みを理解している。
